解呪シーンその1:セルシア、裸
<シチュエーション>
ダーデン(=『オレ』)がはじめて、セルシアに解呪(呪いを解くための魔法の儀式)をおこなう。
ダーデンは魔法をかけるときにジャマになるからと、服を脱ぐように命令するが、セルシアは当初、断固として拒否する。
しかし、『何事も呪いを解くため』と説得されて、しぶしぶ、服を脱いで、生まれてはじめて男の前で肌をさらす。
………
| 【セルシア】 |
「も、もういいわよ。コッチを見ても」 |
オレはふり向いた。
| 【ダーデン】 |
「………」 |
| 【セルシア】 |
「ジロジロ見ないでよ。H!」 |
さっきまでの勢いはない。怒っているような、恥ずかしがっているような顔をして、視線をそらしている。
想像以上に、美しい身体をしている。思わず、セルシアの裸体に見入ってしまった。
完璧に手入れが行き届いた身体だった。匂いたちそうな、滑らかな光沢をはなつ肌といい、形の良い胸や美しくくびれた腰つきといい。

| 【ダーデン】 |
「コホン………以前にも魔法をかけられたことはあるか?」 |
| 【セルシア】 |
「ないわよ」 |
| 【ダーデン】 |
「………そうか」 |
| 【セルシア】 |
「あぁ、こんなのもうイヤ。強力な魔法をかけて、さっさと呪いを解いちゃってよ」 |
| 【ダーデン】 |
「それは難しいな」 |
| 【セルシア】 |
「どうしてよ!?」 |
| 【ダーデン】 |
「今のままでは、強力な魔法をかけても、お前の身体がもちそうにない。魔法に対する免疫ができていない身体では」 |
| 【セルシア】 |
「? 魔法にも免疫みたいなものがあるの?」 |
| 【ダーデン】 |
「ああ。薬を飲みなれていない人間が効果の強い薬を飲むようなものだ。たちまち、副作用がでて、ぶっ倒れてしまうだろう」 |
オレは首をふった。
| 【ダーデン】 |
「だから、じょじょに、身体を魔法に慣れさせていく。まずはそれからだ」 |
| 【セルシア】 |
「なんだかよくわからないけど、めんどくさそうね。それって、時間がかかるの?」 |
| 【ダーデン】 |
「安心しろ。呪いが発動するまでには、なんとかしてみせる」 |
| 【セルシア】 |
「………」 |
| 【ダーデン】 |
「セルシア姫、魔法の勉強はしたことはないのか?」 |
さっきまで話したことは、魔法学の基礎の基礎だ。
ワガママなセルシアに勉強を教える役目の廷臣のことが少しだけかわいそうになった。フレイもその一人なのだろうか?
| 【ダーデン】 |
「そうか………まぁ、いい。そのまま、ジッとしていろ」 |
| 【セルシア】 |
「え?」 |
オレは両手を組み合わせる。目にも止まらぬスピードで、印を結んだ。
………